So-net無料ブログ作成

三浦しをん「星間商事株式会社社史編纂室」 [書評]


 オタク、冒険、恋愛とオヤジに、はては社内権力闘争のてんこ盛り。
 それで破綻なく、めっぽう面白いのだから、もはや神業。
 
nice!(0)  コメント(0) 

ドリアン助川「あん」 [書評]

 
 毎朝、りんごを剥いて食べる。
 今、目の前にあるこのりんごは、信州や青森の農家さんが心を込めて作ったものだ。
 普段はそんなことを気にせず食べるけれど、少し想像してみた。
 作る方は食べる方を想像しているに違いない。
 そんなふうに想像し合うことで世の中は成り立っているのかもしれない。
 
 そんなことを思わせてくれる一冊。
 
nice!(0)  コメント(0) 

「喜嶋先生の静かな世界」森博嗣 [書評]

 テーマは大学で研究することの意味と師弟愛。(だと思う)
 
 主人公の結婚式で主人公の師がしたスピーチは師弟愛の結晶のようなものだ。(詳しく知りたい人は買って読んでね)

 他の人にはさっぱりわからないだろうけど、自分にだけは判る。自分にだけ届く言葉。それをもっと聞きたいと願う気持ち。

 教科書に書いてあることを分かりやすく説明してくれる先生は、いい先生だと思うけど、それだけでは師弟愛って生まれないんだろうな。

 今、大学生の人はもちろん、昔々に大学生だった人にもお勧め。恩師のことを思い出し、勉強したくなります。
 

 

「桐島、部活やめるってよ」浅井リョウ [書評]


 著者は早稲田大学の現役大学生。

 体育会系と文科系の間に確実に存在する断層とそれに対する屈折した思い。何ものにも打ち込めない鬱々とした毎日。好きな異性へのまなざし。

 ここに書かれていることは、いつの時代の高校生も抱えている普遍的な出来事であり、私のようなオジサンの心にもちゃんと届く小説になっています。

 もう少し余計な装飾を削った方がいいようにも思いますが、好みの問題かもしれません。
 
 いずれにしろ、買って損のない本です。
 高校時代を思い出したい人は是非。

津村泰水「ブラバン」 [書評]

 高校時代の3年間は、たったの3年間だけど、10年分生きていた気がする。その時に起きた出来事は一生忘れられない。そのとき会った友人は今もずっと友人できっと死ぬまで友人だろう。
 でも、僕らはみんな高校卒業から既に20年以上の人生を生きてきた。明日をも知れぬ世界で苦難と悔悟にまみれ、なんとか生き抜いてきた。もうみんなあのときの自分じゃないかもしれない。それでも、ときどきは高校時代の気持ちを思い出し、自分を奮い立たせる。

 津村泰水「ブラバン」 高校のブラスバンド部を舞台にした青春とその20数年後の物語。
 
 あのときの気持ちを忘れちゃいけない。

吉田修一「横道世之介」 [書評]


 田舎から大阪に出てきたとき、街は肩パッドと金ボタンとスカーフ、ダブルのスーツが大量に溢れていた。
 僕は正直、どうしていいか分からなかった。友人が頼んだから自分も頼んでみたフォアローゼスをバーの片隅で舐めながら、喧噪を楽しむ人々と自分の間に深い川が流れていることを自覚していた。「何か違う。」

 そんな頃、田舎から東京に出てきた大学生、横道世之介の物語。
 バブルまっただ中の東京でまがりなりにも成長していく様子は、当時の等身大の学生を描いて楽しく、ときに深く考えさせられる。
 一気に読める快作。
 
 

「映画編」金城一紀 [書評]

中学生だったころ、ジャッキーチェンは紛れもなく僕らのヒーローだった。
僕らはみんな、人差し指と親指でおちょこを持つようにしてゆらゆらと揺らめき「酔拳」を繰り出した。
そんな頃の幸せな記憶をよみがえらせてくれる小説「映画編」。ス・バ・ラ・シ・イ!!
著者が私と同世代のようであり、「同世代にしかわからんだろうな」と思う部分もないではないけど(特に第1編)、それを差し引いても傑作であることに変わりはない。
是非読んでみてください。


玻璃の天(北村薫) [書評]

まだ読み始めたばかりですが。
昭和初期を舞台にした「ベッキーさんとわたし」の物語。
「円紫さんとわたし」シリーズもそうですが、北村薫の描く女子学生はどれも秀逸です。
自分の世界を広げようと思索する様や学生らしい溌剌さ、茶目っ気。
高校教師だった作者の面目躍如といった感じがします。
同じコンビの第1作「街の灯」と同様、楽しく読めそうです。


「毎日かあさん」西原理恵子 [書評]

 幼い頃、近所の用水路でヤゴを何十匹と取ってきて水槽で育て、夏にトンボになって飛んでいくのを毎日、毎日見ていたことがある。
 道路に這いつくばって用水路の低い橋の下を覗いて大きなウシガエルを探し、水から目だけ出しているところを網でひっかけて橋の外に引きずりだしたときは本当にうれしくて今でもそのときの情景を鮮明に覚えている。
 その用水路の向こう側に初めてジャンプ出来たとき、人生に勝利したと思った。
 タンツボ(肥だめ)に潜むと噂される大蛇を見ようとした友人が、そのタンツボに落ちたとき、大蛇に食われてしまうのではないかと心底恐怖した。

 大人から見ればアホなことでも、子供にとっては本当に大事なことだ。
 そんなことを思い出させてくれる西原理恵子さんの「毎日かあさん」。
 未読の人は是非読むべし。
 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。